羽休めと羽広げ【その1】伊豆のカエル別邸編

アンダ別邸玄関
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2月1日から二週間愛鳥が入院していた。
退院後しばらくは”オカメの看護”に徹底するだろう。鉛中毒の原因が何であれ、放鳥している人間の責任なので、看護は1年でも2年でもと決めていた。
第一、病気鳥を家において旅行したい気分にならないだろう。
旅行するなら、病院で預かってもらっている「今」が今年最後のチャンスになるのではないかと思った。

入院して一週間以上がたち、オカメのムムたんが安定期に入り明らかな「生」に傾き始めた「一つ目」の安心を得たその頃、伊豆にでかけた。
この辺りなら急に病院から連絡が入っても、車ですぐ駆け付けられる距離だ。
より良い看護をするには、看護する側が健全でなければならないし、勝手な言い分かも知れないけれど、入院した事実に人間たちがショックを受けたのを和らげるためもあり、羽を広げようと考えた。

伊豆で行く宿の一つとして、『アンダリゾート』があるが、今回はその姉妹ホテル『アンダ別邸伊豆一碧湖』に決めた。
初めてのホテルという響きに新鮮味を感じたし、”かえる家族”(カエルがいるんです)の一員なので「アレルギー対応」も拒否されないだろうと予測できたからだ。
案の定、「大丈夫です」との快い返事を頂く。

「アレルギー対応はしていますか」
「はい」

このたった一往復だけでも、壁を乗り越えられないこの世界。「しょうがないか」とはアタマでは理解していても、断られた時のショックは否めない。否定されることは、少ないに越したことはない。

☆  ☆

本家より、こじんまりとまとまっているが、やはりカエルはいた(笑)
壁の側面にいたり玄関に陣取っていたり。なかなか楽しい。

※以下クリックで拡大します


どちらかといえば少食のため、来たるべき「ディナー」を満喫せんと昼ごはんを控えめにしておいた。なので、夕食の頃にはお腹のカミナリ様(ゴロゴロ)が複数人で合唱しておられた。
夕食は食堂へ行くスタイル。パジャマで来たら駄目というホテルもあるから私服で行ったが、多くの客がパジャマで来てた。食堂までの道中が寒かったのにみんな若いなあ〜強いなあ〜と妙な尊敬心(笑)を抱きながら席につく。

隣にいた方は多分大豆アレルギーの人。二人でいて、大豆抜きで出てくるのを「うわぁー!!」と、やたら感激してた方が・・多分相方だ(笑)

「お品書き」が傍に添えられていた。こういうのがあると嬉しいんだよね。
ブログにも書きやすいし(笑)
だが「お品書き」は嬉しい反面、不安も煽る。
これって私専用メニューじゃないよね。周りと同じメニューだよね?皆と同じものが出たらアウトなんだけどって心配しちゃう自分って・・神経質すぎ?

メニューは以下の品々。華やかに彩られたのが印象的。女性では標準だけど男性では少し物足りない量かな。
この後「夜食」も出る(宿泊費範囲内)ので、それを加味しての量なのかもしれない。


こちらの宿は、本家もそうだけど「これは、小麦粉の代わりに◯◯を使っています」「◯◯は小麦粉含有なので取りました」などの説明がなく運ばれてくる。おそらくアレルギーであることに気を使わずに食べてもらいたい、との配慮なのだろう。
でも私は、まず最初に「アレルギーです」と確認せずにいられない(笑)
この日はとても混んでいて、大勢の客のと一緒だから、神経を使ってるだろうなーと有難く頂いていった。
が、あれれ?この豚肉に散りばめた粉々は・・パン粉ぢゃないか?
ここで、「言ってあるから大丈夫」「さっき確認したから大丈夫」などと根拠のない結論を出してはいけないのだー(バカボンパパ風)ということは過去に学んでいる。
直観大事!
結果は残念!やはりパン粉でした( ̄▽ ̄)(この写真は貼ってません)
すぐにパン粉抜きのメインが、お詫びの言葉とともに運ばれる。

食事を終え、食堂を出るときにも厨房の人が出てきて、そんな恐縮しなくていいのに・・というくらい申し訳なさそうな表情で
「すみませんでした」と再びお詫びの言葉をかけられる。
人により感じ方も違うだろうけど、責める気にはならなかった。場所によっちゃ「間違えたわ(笑)」で終わる宿もあるもの(あるんです)。そんな薄情さに比べたら。
誠意や責任感が垣間見えたら、誤食未遂で身体に異常がないのが前提だけれども、私は「大丈夫ですよ」と心から言っちゃうなあ。
大人だしアレルギー歴も長くなったから、小麦含有か否かはだいたいは一目見ると解るようになった。
アレルギー歴が短かったり、子供だったりしたらそうも言ってられないのかも知れないけれど。
ただ危惧したのは、「怖いからもう来てほしくない」と今後を敬遠されることだった。色んな場所を巡ってきたけど、こちらはアレルギーに対する誠意は高く持っていたのが解るコックさんだけに、必要以上に落ち込んで欲しくないなぁ。

一番印象に残っているのは”伊勢海老と白身魚のポーピエット”。
黄色いのがソースなんだけど、伊勢海老のみその風味が心地よく全体と調和していた。鮮やかさと言えば”地野菜と鮮魚のロンド”も
そうだよね。カラフルだけど、それに劣らず味も遜色ない。

ちなみに夜食はラーメンだった。同じ食堂が夜になるとバーになり、ワンドリンクと、つまみとしてラーメンやおつまみが無料で振る舞われた。
小麦含有なため、こちとらお酒だけ飲んでたんだけど、ちょっと口が淋しかったりする。
だから売店でお金出してポテチ買って、部屋で「夜食」食べようと試みたんだが、お腹いっぱいだったため1、2枚で充分だった。
自分も、周りと同じ「軽食の夜食」経験をしてみたかったのねー(笑)


ここのホテル、何がおすすめかって、温泉の性質! お肌つるつる、体ホカホカ、「出来立て人間」みたいになれる(笑)
貸切(半露天)風呂おすすめ!入る時は寒いけど、湯上りが後々気持ちいい。
「噛めば噛むほど味が出る昆布」のように(お湯のように?)、実感が湧く。

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